【レビュー】iPhone XS Maxを1ヶ月使って分かった10個の評価

2018年9月。これまでのiPhoneの象徴的存在であったホームボタンが「iPhone X」の発売から約1年が経ち、各性能がさらに進化した「iPhone XS XS/Max」として発売された。

フルモデルチェンジではないものの、これまでの”Plus”シリーズを継承した大画面モデルであるiPhone XS Max」が新たに登場し、ビッグスクリーンを求めるユーザーからも一目を置く存在になったことは間違いない。

長年6.5インチの”Plus”シリーズを愛用してきた僕は「iPhone XS Max ゴールド 256GB」を発売日に購入。

本記事では、大画面が特徴的なこのiPhone XS Max」を1ヶ月じっくりと使って実際に分かったことや感じたことを率直にレビューしたいと思う。

 

目次

6.5インチの”Max”なスクリーン表示は快適そのもの

左:iPhone X / 右:iPhone XS Max

高級路線な端末として世に送り出された「iPhone XS」と「iPhone XS Max」の最も大きな違いは本体のディスプレイサイズ。

「iPhone XS」は5.8インチであるのに対して、「iPhone XS Max」は6.5インチという大画面モデルとなっている。まさに「Max」という名称の所以だ。

「iPhone 6」から何年にもわたり製品化され、昨年の「iPhone X」で姿を消してしまった6.5インチディスプレイの”Plus”シリーズが”Max”に生まれ代わり、わずか1年で復活した形だ。

Super Reitnaディスプレイの美しさ

前機種となる「iPhone X」同様に、「iPhone XS Max」は有機ELディスプレイであるSuper Reitnaディスプレイを搭載。

解像度は2,688×1,242ピクセル(458ppi)という高スペックにより、色のコントラストが非常に際立つ鮮やかな表示を可能にしている。

iPhone XS Max iPhone X
ディスプレイサイズ 6.5インチ
Super Reitna
5.8インチ
Super Reitna
解像度 2,688×1,242
(458ppi)
2,436×1,125
(458ppi)
コントラスト比 1,000,000:1 1,000,000:1

すでにディスプレイサイズ以外同じ仕様である「iPhone X」を1年以上使っていたためか、初めて「iPhone XS Max」を手にした時の印象は画面の大きさのみで、ディスプレイの美しさという部分にまでは到達しなかった。

しかし、手元にある10.5インチiPad Proと比較するとその差は歴然と感じられた。圧倒的に発色のキメの細かさが違う。どうみても繊細かつ鮮やかだ。

左右に置いて比較しないと分からないことかもしれないが、Super Reitnaディスプレイは「キレイだ!」の一言に尽きる。

「iPhone X」以前の機種から「iPhone XS/XS Max」へ買い替える人にとってはその恩恵を十分に感じられるだろう。

 

表示領域が大きくコンテンツを最大限楽しめる

6.5インチという大画面はWEBページ閲覧や動画視聴など、コンテンツ利用する際に大きくメリットを感じる。

僕が今回「iPhone XS Max」を購入した理由の1つがコレ。

アプリによってはフルスクリーン表示に対応していないものもあるが、少なくとも5.8インチやそれ以下のディスプレイに表示されるよりも、圧倒的に表示領域が大きく、画面がダイレクトに視界に入ってくる。

モバイル端末で見ているというコンパクトな視聴環境を忘れてしまうほどの迫力だ。いつでも大画面ディスプレイの虜になってしまうような魅力を感じる。

ゲームや動画視聴といったエンターテイメント要素はもちろん、ビジネスシーンでも作業効率の向上にも繋がるなど、その快適さは図りしれない。

 

サイズ感の評価は人それぞれ

前見出しで書いたように画面サイズが大きくなるということは表示領域が増して快適になるという一方で、携帯性や操作感が損なわれてしまうと思うユーザーも多いだろう。

それゆえ「フリック入力しづらい」という議論は度々起こる。

実際に「iPhone XS Max」を手にするイメージは、手でグリップするというより手に載せるようなイメージだ。

フリック入力は確かにしづらい。これは紛れもない事実。iOSではキーボードを右寄せ・左寄せ表示にできるため、これらコマンドによって回避することは十分可能。

また、個人的には両手を使ってiPhone XS Maxを持ち、フリック入力やキーボード入力を行うことが多いので、特段画面サイズによる入力にしにくさを感じることはほとんどない。

 

操作性重視か画面サイズ重視か

正直、【携帯性や操作感】と【画面サイズ】という2つの要素は相反するものであり、ユーザーそれぞれの好みや嗜好によって決定されるものなので、一概には評価しづらい。

よりコンパクトなサイズを求めて携帯性や操作感を重視するユーザーもいれば、それよりも視認性の高い大画面ディスプレイを使いたいというユーザもいる。

僕は完全に後者寄りだ。携帯性や操作感を多少犠牲にしても、大きく快適な画面サイズをiPhoneには求めている。

コンパクトさや片手グリップでの操作性を求めるユーザーにとっては、「iPhone XS Max」は適していないかもしれない。手元での操作性を重視するなら5.8インチの「iPhone XS」を使うという選択肢が最適と言える。

 

ポートレート撮影がより楽しくなるカメラ性能

昨今のスマホには、より手軽によりキレイな写真が撮影できる性能が求められている。

新たに進化した「iPhone XS Max」のカメラ性能は、そのような願望を大いに叶えてくれるクオリティを出せることが特徴だ。

 

撮影後に背景ボケを調節できる深度コントロール

デュアルカメラによりポートレートモードで撮影した写真は深度情報を取り込み、撮影後に背景のボケ味を調整できる機能を搭載。

これがかなり優秀で面白い機能どまりはなく、現実的に活用できるカメラ機能を搭載してきたというAppleの本気を感じた。

僕自身を使って妻に撮影してもらったポートレート写真を載せておく。

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f:1.4

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f:16.0

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モデルの質という話は抜きにしてもらいたいが、ポートレート写真のボケ味調整は素晴らしい機能。

ボケ味調整を調整するだけで全く雰囲気のことなる写真を手軽に作り出せることは魅力だ。

子どもの可愛い成長さかりを日々記録している僕にとってはこの上ない機能として活躍してくれている。

 

境界線の認識精度は、iPhone Xの時より若干向上しているように感じるものの、被写体パターンによってはボケの境界線が不自然に出てしまうこともある。以下の例を見てもらいたい。

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f:13.0

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f:1.4

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いきつけのカフェのハンバーガーランチをポートレート撮影したものだが、f:1.4に調節すると手前のポテト以外の背景が全てぼかされてしまい不自然な仕上がりになる。

被写界深度コントロールは、擬似的にボケを表現していることから、ある程度の誤動作が生じることは仕方ないと納得するしかない。今後のアップデートにより改善されることに期待したい。

 

とはいえ、手元のスマートフォンで手軽に一眼レフやミラーレス一眼で撮影したようなポートレート写真が撮影できることは、技術革新そのもの。

大切な瞬間を切り出す写真の表現の幅が広がり、手軽に高画質な写真を撮影できるというユーザーに新たな選択肢を与えてくれる存在である。

 

より明るくなったセンサーとスマートHDRにより違いは歴然

iPhoneのカメラ性能は本当に凄い。毎年新しい端末が投入するたびに確実に旧機種を上回る性能を搭載するからだ。

「iPhone XS Max」はより明るいセンサーが搭載され、従来のカメラよりも光を多く取り込むことにより、暗部の写真にも強いとされる。

さらにスマートHDRの効果により明部と暗部を描きわけながらはっきりとしたディテール撮影することが可能だ。

まずはこちらの写真をみていただきたい。

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iPhone XS Max

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iPhone X

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新潟市にある朱鷺メッセというホールを撮影。

画面中心部のホール1階部分に着目すると顕著な違いが感じられると思う。

「iPhone XS Max」の方は照明が当たる部分もくっきりと撮影できているが、「iPhone X」の方では若干の白飛びが確認される。

 

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iPhone XS Max

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iPhone X

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続いては新潟市内の夜景。

こちらも「iPhone XS Max」の夜景では光の部分を落ち着いた感じに仕上げているが、iPhone Xでは明るさを強調するようなディテールになってしまっている。これも白飛びによる影響。

細かな変化かもしれないが、仕上がりを重視するなら、ディテールまで詳細に写せる「iPhone XS Max」の方に軍配が上がることは間違いない。

 

より高速になった第2世代「Face ID」、高速感よりも認証精度が改善された

「iPhone XS/XS Max」に搭載されたFace IDは第2世代のFace IDへと進化。

さらに高速に使えるようになり瞬時に解除する性能が第2世代Face IDの特徴だ。

機械学習によってユーザー自身の外見の変化を認識していくものであり、使用期間が長くなるに連れ学習効果は上昇。

しかし、1ヶ月使って思うのは、Appleの説明にあるような「高速感」は残念ながら微塵も感じられない。「iPhone X」の時と同じ速さだと感じる。

言いかえるなら「iPhone X」のFace IDもそれなりに瞬時にロック解除してくれたので、それ自体がさらに高速になったとは言いがたいということ。

機械学習とはいえども1ヶ月使ってこの状態なので、おそらく今後も高速化を実感できる機会はないと思われる。

一方で、性能が向上した感じるのはFace IDの認証精度

iPhone Xのレビューで書いたように認証精度には概ね満足しているものの、iPhoneを顔に向ける角度によってはうまく認識できないことを多く経験した。

これが「iPhone XS Max」では大きく改善されたように感じる。

“大体”画面をこちらに向け注視すれば、しっかりとFace IDによって顔認証を行いロック解除してくれる。これまで使用してきた中でFace IDの認証を失敗した回数は片手で数えるほど。

 

A12 Bionicの処理能力は陰の立役者的存在

もともとiPhoneを使ってそこまで負荷の高い処理を行わない僕にとって、4コアCPU・4コアGPU・毎秒5兆回もの演算処理を行うNeural Engineで構成されるA12 Bionicチップの性能の良さを直接は実感できない。

一方で、iPhone XS Maxはあれだけ大きな画面サイズであるに関わらず、バッテリー持ちがかなり良いという実感がある。

1日は必ず持ち、2日目の夕方くらいにバッテリーが切れるようなイメージだ。

推測するに、A12 Bionicチップの高速演算のお陰で効率の良い処理が実行でき、端末の省電力が図られれているものによるものだと思う。

もちろん、これまで評価したカメラ性能やFace IDといった最先端機能は、陰の立て役者であるA12 Bionicあってこそ活用できる機能。

性能の良さを実感できないのは当たり前であって、むしろこれは実感できないほど快適に使えているという事実である。

快適なiPhone生活を実現するために、日夜iPhone内のタスクを処理しているA12 Bionicチップの成果は大いに評価したい。

 

新色ゴールドが登場し、高級感あるデザインは健在

iPhoneを語る上で忘れてはならないのは製品デザインだ。

今回2018年に発売された「iPhone XS/XS Max」と「iPhone XR」はデザインで大きな差別化が図られ、後者はカジュアルな印象を受けるのに対して、「iPhone XS/XS Max」は惜しみない高級感あるデザインで満ちあふれれている。

前面背面ともにより強力になったガラスパネルで覆われた筐体は光りを集めてはキレイに放つ芸術品のよう。

加えて側面は磨き挙げられたステンレススチールで覆われていて、隅々まで製品デザインの完成度の高さを実感した。

特に今回新たにラインナップされた「ゴールド」は、見る角度によっていくつにも表情を変える。淡いピンク色のように映りこむこともあれば、はっきりと主張するような輝くゴールド色に見えることもある。

見る度に違ったニュアンスでユーザーに語りかけてくるような美しい製品デザインはみとれてしまうほど。

毎日使うiPhoneだからこそ、使うものの所有欲を満たしてくれる美しいデザインは魅力的である。

 

まとめ:スマホの未来を日常生活の一部に変え現実のものにする最高のiPhone

「iPhone XS/XS Max」最大の難点は価格が高いということ。

iPhoneの価格は年々上昇傾向にある。性能など一切抜きにして価格だけで考えると約15万円する端末。スマホというより高性能なPCといっても十分なほどだ。

しかし、毎年発売されるiPhoneの向上した性能を使ってみると、価格相応ないしそれ以上に仕上がりになっていることは日に日に実感できる。

少なくとも15万円する「iPhone XS Max」を買うことは家計にとって大打撃だが、後悔したことは一度もない。むしろ満足感しかない。

顔認証が出来て、一眼レフのようなクオリティの写真が取れ、PCに匹敵するようなCPUを搭載したスマートフォンを5年や10年前に想像できただろうか。

iPhoneは着実に毎年進化を繰り返している。スマホも未来を現実にし、過去に変え、再び未来となって生まれ変わる。

次のiPhoneはどんな最先端機能が搭載されるのだろう・・・期待感は止まらない。

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